折り返し鍛錬によって出来る刀身の表面に現れる鉄の層の模様を地肌といいます。
折り返し鍛錬とは玉鋼を高温に熱してから平たく打ち延ばし、更に折り返して2枚に重ねて打ち延ばします。これを14~16回繰り返す作業を折り返し鍛錬といいます。
この作業によって玉鋼の中に含まれる不純物は火花となって飛び散り除去されます。
この折り返し鍛錬によってできる鉄の層の地肌は、鉄の折り返し方によって模様が異なります。また地肌は玉鋼の成分によっても更に模様が変化します。そのため餅鉄と各地の砂鉄を使った玉鋼では現代刀では見ることの出来ない地肌を持った刀となります。
①火炉で熱した玉鋼を叩いて伸ばす。
②伸ばした玉鋼を折り返して2枚に重ねて更に叩き伸ばす。
この作業を14~16回繰り返す。215で約3000層の地肌となります。
焼き入れ作業によって刃先部分に現れる白い波のような模様をいいます。
焼き入れ作業とは、刀に焼刃土(粘土・砥石の粉・炭の粉を水で練り合わせたもの)を塗っていき、その刀を高温に熱したのち水で急冷することをいいます。この焼き入れ作業によって強靭で切れ味の鋭い鋼へと変化します。この鋼の化学変化が刀文となって現れます。
焼刃土の塗り方で刃文の形が変化しますが、玉鋼の成分によっても更に反応して刃文が変化します。そのため餅鉄と各地の砂鉄を組み合わせた玉鋼では現代刀では見ることの出来ない刃文を持った刀となります。
①土置き作業
焼刃土(粘土・砥石の粉・炭の粉を水で練り合わせたもの)を刀に塗っていきます。
② 焼き入れ作業
刀を火床(ホド)に入れて高温に熱したのち、水で急冷します。
この焼き入れ作業によって強靭で切れ味の鋭い鋼へと変化します。
備前長船日本刀製作所
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上田祐定