1月17日

朝6寸の包丁を1本研ぎ上げる。予定を変更して夕方迄に6寸の包丁を2本素延べして弟子の火造りの練習用を造る。金曜日にはたたら炭が入荷して土曜日にはたたら製鉄をしなければ弟子の包丁練習用の鋼が無い。1カ月程すれば私の最後の弟子になる思われる青年も入門するので玉鋼造りも忙しくなる。32歳の弟子の5年間の人生を預かるので私が元気でいなければならない。月参りで80歳まで健康で弟子を育てる事が出来る様に金屋子の大神様に御願いしなければならない。植田さんの様に道場を3か所も持つ腕前ではないが合気道で武士の精神も学んでいる。私の最後の弟子として名誉も地位も目指さない剣魂一致の刀工になる事を望んでいる。「敷島の 大和心を人問わば 朝日に匂う 山桜花」剣の心は詩の心でもある。遠い私達の祖先が詩を詠み、今もその生き方が続いている。真の日本人として刀工になる事を願っている。