2月25日

左足かかとが鍛錬をしていると痛むが、我慢をして皮鉄・心鉄を合わせて荒素延べ迄進める。もう左足の踵を地面につけて歩けなくなる。昼休み無しで夕方迄椅子に腰かけて炭を切る。足がダメなら残った手を使い刀造りを進めるのがプロであり、刀に命をかけた刀工の生き方である。明日は来客も有るが向梃を打つ弟子が一人も居ないのでベルトハンマーで鍛錬の予定。3月1日には九州から32歳の青年が入門する。日本の文化伝統を守るのは命がけである。自分で砂鉄から玉鋼を造り、それを折れず・曲がらず・良く切れる実践に耐える刀を造る事は生半可な気持では造れない。後戻りの出来ない命がけの厳しい仕事である。刀工界には2つの団体が有り全て日刀保玉鋼を使用するが、自家製鉄をして刀を造る私はどこにも属さない孤高の道を進んでいるので製鉄修行も厳しい。