昨日は74歳最後の日で友人と練習で造った短刀二振りの焼入れを弟子に見せる。夜は友人が自宅に泊まり話が進む。独立した弟子にも電話をして刀造りの近況を聞く。この40年間弟子育成の炭代にも困り砂鉄研究で造った玉鋼試作の包丁を売り弟子の炭代にして14名の弟子をやっと卒業させた思いだけが残る。今日からは75歳。今弟子が2名包丁の鍛錬練習をしている。又入門希望者が出ている。今迄の弟子の中には中途止めや刀工資格を取らせても刀工にはならない者も多数。多くの炭代と私の仕事時間を取られた思いだけが残る。もう残り少ない人生を刀工になり日本の伝統を守る強い意志を持った弟子づくりを心掛けなければならない。私も一振り、一振りが研究の成果として残る刀造りで人生を終わりたいのが75歳の決意である。