5月14日

昨日の硬い包丁は2本が成功したが1本がペティナイフとなる。午後は慶長年間から始まり今日まで文化庁試験で行っている水べしをして積み沸かし方法を見せる。この方法は高炭素量の日刀保玉鋼を柔らかく脱炭するのには向いているが同一組織の集合となり刀の働きは出にくい。日刀保玉鋼を使用していない受験生はその玉鋼をもって自分の作刀方法で受験をするのが当たり前だが、受験生の平等を保つ為として日刀保玉鋼を使用させているのは平等に見えて実際は不平等である。日刀保玉鋼を使っている刀工も受験者もまともなたたら製鉄が出来ないので日刀保玉鋼を使っているにすぎない。自家製の玉鋼を使っている者はそれを使えば良いのである。

高野山の線香の匂いを嗅ぎながら魂となって鍛冶場にいる弟子の写真を眺める。