9月21日

午前中は公開鍛錬で使用した玉鋼で造った包丁を研ぎながら時折脇差の火造り練習をしている弟子の仕事を見る。洋鉄のフラットバー鉄板なので失敗しても惜しくないので気楽である。当分は洋鉄で練習をしてから鍛えた和鉄の火造りに移る。練習用に岩手県の炭も注文する。午後は弟子が入れ替わり折り返し鍛錬なので弟子がすすめてくれたインソールを靴に入れて弟子と共に鍛錬をしてみるが夕方には足が痛む。今日も見学者が訪れ先日NHKで流した「たたら製鉄」の玉鋼の話が出るが来所する見学者全員が出雲産の砂鉄で玉鋼を造っていると信じているので日刀保玉鋼は砂鉄の原産地をかくしている。たたらで玉鋼を造っている砂鉄は日立金属が東南アジア方面で輸入している物で日本産砂鉄ではないですと話すと全員が驚く。日本刀は出雲砂鉄で造っていると全国民は思っているのだ。だから品質は悪いので日本産砂鉄を用いて小型自家製鉄で玉鋼を造る刀工は数多い。自家製鉄が出来ない刀工は日刀保玉鋼を使うしか方法が無いので全員が同じ地金になるのである。日刀保たたらは売れゆきが悪く在庫が1億円程あると聞く。関東・関西地方でも私の弟子が自家製鉄で頑張っているので今後10年、20年すれば刀工も自分の個性ある自家製玉鋼を造る者が増えるであろう。日刀保たたらも日本産砂鉄で玉鋼を造るべきである。