刀の皮鉄を鍛える予定が1カ月も前に岩手県に注文した、たたら製鉄に使用する炭が朝一番に着いたので予定変更で一人で操業。弟子2人は折り返し鍛錬の練習をする。砂鉄30キロ、炭7.5キロⅹ8俵を使い玉鋼10.5キロを得る。日本産砂鉄は非常に粘りが有り鍛伸性が外国産砂鉄より優れており日刀保玉鋼の様にくずれる事はない。日刀保たたらの砂鉄原産国は公表されていない。もし日本産なら砂鉄採取の地名を出さなければならないと思う。日刀保玉鋼は沸えないので相州伝等を造るには近代製鉄のスクラップを原料とする電解鉄を混入しなければならないが、日本産砂鉄の玉鋼は砂鉄によりにおい出来と沸出来の両方が出来る。沸えない玉鋼では備前伝しか焼けないので全員が丁字の備前伝を造るのである。私も先年江戸時代の玉鋼を見せて頂いたが日刀保玉鋼のなまり色の輝きではなく白く澄んだ色の玉鋼であった。今日のたたら製鉄の砂鉄は北国の自治体の許可を得た物である。