11月25日

やっと妻の入院日が29日。手術は12月1日と決まり気分的に落ち着く。午後はたたら炉を解体をして炉の塗り方を弟子に教える。炉の塗り方で玉鋼の出来方が大きく違って来る。また予熱のかけ方で還元も異なり、炭の大きさ、火力等全てが揃わなければ良い玉鋼が出来ないし、地金の働きを出すには異なる砂鉄を最始から混合しなければならず、後から異なる鋼を混ぜると変わり鉄の鍛肌となる。もう30年を超える小型たたら製鉄をしているが難しいものである。初期の日刀保たたらの砂鉄は国産であるが今も私は出雲産砂鉄を時折使うが粘りも有り、鍛伸性に優れた砂鉄である。この砂鉄は兵庫県の刀工も20トンも購入して刀を造っている。中国地方の砂鉄は花崗岩の風化した真砂土の中にある。小型たたら製鉄をする刀工はある程度の地質学も必要である。たたら製鉄が出来ても良い刀が出来るとは限らない。