休日を入れ替えて鍛冶場へ。久し振りに本格的に鍛錬を開始。タンタンタンとリズミカルにベルトハンマーの鎚は真赤に焼けた玉鋼を打つ。この感覚がなんとも言えない。右手も十分に動き3キロもある梃も右手で操作出来る。連続して折り返し鍛錬も進む。これで6月からは本格的に刀造りに復帰出来る。それ迄は体慣らしの楽な包丁造りを進める。右手の親指の筋が切断される迄は寒く刀造りに適した気候であったがもう夏の気候になり、狭い鍛冶場は熱気に満ち大汗も流れる。燃え盛る炭火の炎は新しく造り直した煙突に吸い込まれるが照り返しは以前より強く沸きも早い。鍛錬を終わると疲れ切る。暑くなったのと3か月も刀造りから遠のき体力が落ちたせいだろう。気力は十分にある。あとは体力が戻るだけである。今は毎日NHKで流れる「らんまん」を見続け、懐かしい土佐弁を聞き想いを土佐にはせている。自分はどこにいても土佐人の魂は忘れない。この気持ちがあれば死す迄刀鍛冶を続ける事が出来るであろう。リハビリも残すところあと7日間となる。