たたら製鉄について


たたら製鉄は日本古来の千年以上の歴史を持つ日本独特の製鉄方法です。

砂鉄を木炭で比較的低温(12001300℃位)で熱し還元することで純度の高い鋼を作ることできる法です。

 

何故たたら製鉄が日本独特なのか

 何故たたら製鉄が日本独特なのかというと、現在主流の西洋の近代製鉄と比較してみます。まず材料の素材が違います。日本のたたら製鉄で使う砂鉄は火山から噴き出したマグマが風化して土となり、この中に含まれているのが砂鉄です。

 

西洋の近代製鉄では鉄鉱石が使われます。これは46億年前海の中で海藻が光合成をおこし酸素をつくり、そこで酸素と鉄イオンが結合して酸化鉄となり海底に沈み堆積したものです。

 

この2つの素材を比べると、磁石を使うと日本の砂鉄は磁石にくっつき磁力がありますが、鉄鉱石は磁石にくっつかず磁力がありません。そして加工時に砂鉄から作った玉鋼には低温処理のため叩くと伸びる性質がありますが、鉄鉱石にはありません。そのため日本刀では折り返し鍛錬という、鋼を熱して打ち延ばす作業を繰り返し行い、更に鋼の中から不純物を取り除いていきます。しかし鍛伸性のない鉄鉱石ではこの作業を行うことができません。

 

また製鉄方法が異なり、たたら製鉄では炭を使い比較的低温(1200.1300℃位)で熱し玉鋼という固体に、不純物は液体となり分離できるため取り除けます。西洋の近代製鉄ではコークスを使い高温(2000℃位)で液体にするため不純物も混じったままとなります。

 

このようにたたら製鉄は独特であり、また鋼の質も良いものを得ることが出来る製鉄方法です。

たたら製鉄の方法


 ①たたらの炉の内側に土を塗る。
②たたらの炉に炭を入れ、火をつける。

 

 

   

 ③十分に熱が溜まったら砂鉄の投入開始。

  各地域の砂鉄の成分が異なるため、風力、火力、砂鉄の投入回数・量・鉱滓(不純物)の抜き方等の判断が状況に応じて必要となります。長年培ってきた経験とデーターが必要となり、出来上がる玉鋼の量や質に影響します。





   

定期的に(こう)(さい

(不純物)を抜く。
(



炭で熱することで不純物と良質の鋼が分離するので、液体状となった不純物を炉から抜いていきます。この作業を繰り返すことで良質な鋼が炉の底に残ります。

 

 

 

 

 ⑤炉を解体して玉鋼を取り出す。

玉鋼20kgを作るのには4時間程度かかります。玉鋼を作る量で作業時間が変わります。

 

  

  

      

 ※自家製鉄の玉鋼

  出来上がった玉鋼は約25cm程の塊りとなります。各地域の砂鉄によって成分が異なるため玉鋼の出来る量に差ができますが、砂鉄100kgで平均して30~40kgの玉鋼ができます。

  たたら製鉄を行う人の技術によっても玉鋼の出来る量に差が出ます。 

 ⑥出来上がった玉鋼の周りについた不純物を取り除いて、使いやすい大きさに切る。

  一振りの日本刀(1kg弱)を作るのに、この玉鋼を10~15kg必要とします。日本刀は鋼を熱し叩いて鍛えることを繰り返します(折り返し鍛錬)。この叩いた時に出る火花によって不純物が飛び減っていきます。