朝弟子が炭切りをしている間に小包丁を少し研ぐ。弟子が日刀保玉鋼と私の国産砂鉄の玉鋼と全く異なる成分の玉鋼を鍛着さして折り返し鍛錬を成功さす。実に嬉しかった。その後も降し金の立派な鋼を造る。今日は弟子2名だが明日は3名にして手打ちの折り返し鍛錬に移行。金屋子神社の宮司様より荷物到着。早速神棚に御供えする。火床の上に置いた種子島の砂鉄も乾いたので近い内にたたら製鉄をしたい。
2日間に渡るたたら製鉄で疲れているが定休日なので山歩きに出る。1時間も歩くと汗でシャツが濡れる。春にこの暑さでは今年の夏は昨年並みの猛暑で弟子が熱中症にならない事を今から心配する。作業は例年の如く早朝の涼しい時間帯に鍛錬をして午後は炭切り位にして長くなった夏をのんびりと過ごす作業を考えねばならない。
昨日は弟子のたたら製鉄実習を兼ねていたが今日は私一人で玉鋼造りを行い6キロ程の鋼を造りて今日も終る。今年の夏用の玉鋼もこれで準備が出来たので次は種子島産の砂鉄で短刀用の玉鋼を造り御守り短刀の玉鋼としたい。晴天になれば小出刃包丁を研ぎ上げ5月からは早く短刀製作に入りたい。
夜中から目覚めて眠れず朝から頭痛。それでも涼しいので玉鋼造りを進めるが雨が降らず蒸し暑くなり昼で砂鉄投入を止める。予定の半分の砂鉄使用で残りは明日もう一度たたら製鉄を行う事にして炭切りと炉の塗り直しをする。今年の春は高温が続いているので夏は暑くなり猛暑が続けば刀造りは出来ないので包丁を造り熱中症にならない様にしなければ秋からの刀造りが出来なくなる。弟子の育成もあるので無理な注文は引き受けない様にしなければ77才の体はもたない。
定休日なれど山本君が短刀のヤスリがけをするので私も明日のたたら製鉄に備えて砂鉄の選鉱と炭切りをする。昨日の出雲迄の450キロ走行の疲れがあるので早めに仕舞う。明日は天気が悪く気温が低いので一人でも玉鋼造りは出来る。前日の疲れが残る年令になった事を感ずる。
新緑の中国山地を妻と娘の3人で鉄と火の神の金屋子神社春の大祭へ。平地と違い寒い山の中には桜が満開で2度の花見が出来た。元気で後に続く本物の刀鍛冶を育てる事を祈願。帰り道は雨が降る中を帰る。家族揃って元気で参拝出来る事がなによりも嬉しく明日からは頑張って注文の残りの包丁をすまし早く御守り短刀の製作に入りたい。
ブラジルより12名、イタリアより7名、通訳3名で午後の折り返し鍛錬を見学。弟子3名が見せる。いつも見学者の前で場慣れの為に打ち刀工試験を目指して頑張っている。
朝6時送風開始。7時砂鉄投入。11時30分炉を解体して10キロの玉鋼を出す。午後は弟子の折り返し鍛錬。自家製玉鋼と日刀保玉鋼の混合なので弟子の技術では少し無理も有るが練習をすれば身に付く。炭焼き窯も大型トラック11台分の松の原木を仕入れたので1年分の炭も追加されたので安心して練習が出来る。弟子の初めての降し金が良くまとまり包丁の材料には申し分のない炭素量と粘りも出ている。故今泉後光先生の技術も守り続けている。たたら製鉄は夏迄あと5回位は操業したいと思っている。今日は妻の77歳の記念日。高校生からの友人で結婚して55年を迎える。同級生なので鍛冶屋の女房も続け助けてくれた。感謝の気持ちでいっぱいである。
岡山南署で刀剣登録会。朝一番に登録をすまし鍛冶場でたたら炉の塗り直しと炭切り、砂鉄の選鉱を1人で行い夕方には炉に予熱の炭一俵を入れて明日に備える。
朝はたたら製鉄で鍛えたサンプルの小包丁を焼き入れてみる。刃文は良く出来ているが沸の粒が見えなく、におい口はしまっている。これで以前から注文を受けていた刺身包丁と小出刃が出来たので後日研ぐ事にして無料公開に使う玉鋼も少なくなってきたので折り返し鍛錬用に切ってあった炭で玉鋼6キロを造る。土曜日は南米より13名と他に見学者も有り火花を散らして弟子が打つ予定。

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