4月29日

小包丁を研ぎ上げて一安心。あと文化包丁を1本造れば残りの注文も終わる。たたら炉を塗り炭を入れて予熱をかけ炭を切りて明日に備える。ふと思い出した。刀工と独立して45年間の月日が過ぎた事に気付く。何もかも捨て刀一筋に走り通した人生であった。私が人生に悔いを残す事は何もないが折れず、曲がらず、良く斬れる本物の日本刀を打つ弟子を残し、たたら製鉄で古刀の地金にせまる玉鋼を造る技術を受け継ぐ弟子を残して置きたい。体力も気力もまだある。