今日も風邪具合が悪く薬を飲んで休む。今私が倒れたら今泉先生から受け継いだ斬れる刀の製作方法と私の開発した砂鉄の配合と製鉄技術が弟子達に伝わらない。残念ながら弟子達は刀工に向かないくらい下手である。その中でも私の技術を求めて努力する弟子もいる。4日前も県外から私の刀2振りを所持し抜刀術を行う方が訪れ、揺れる和船の中で直径8寸程の畳表を連続してばっさ々と斬る動画を見せて頂く。剣道や居合道の高段者でも抜刀術の刀方と体さばきを学ばないと切れない。刀工になるのも手先が器用で努力が無いと実践刀は造れなく刀紋を見るだけの刀で終わる。切れる刀は鋼造りから始まるが技術の無い刀工は日刀保玉鋼を使うしか方法がないのである。それでは日本刀の本質が失われている。腰の一刀に命をかける事が出来る刀を作れる刀工は本当にいるのだろうかと思える。美術刀剣刀匠ではダメである。